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3つの部位が1枚のステーキに! 命名「ポーターハウス尻」

前回、一枚で2度美味しいステーキとしてラン尻(サーロインとランプ)を紹介したところ、安堂光明会長からこんな話がありました。
「一枚で3つの部位を食べられるステーキもあるよ」。
それはTボーンステーキなのですが、普通、Tボーンと言えば、大き目のサーロインと骨を挟んでヒレが付いている。そんなイメージです。しかし、背骨の切断場所が頭の方からだんだんお尻の方に近づくにつれてお肉の付き方は変わってきます。お尻に近づくとヒレが大きくなります。その部分は別名「ポーターハウス」と呼ばれ、Tボーンステーキのなかでも特に贅沢な部位。記者の口に入ったことはまだありません。そしてさらにお尻の方の端になると、サーロインの上の方にランプ肉が現れます。そこはつまりランプ肉が始まるところ。そこを骨ごとカットしたTボーンステーキは、骨の下側にヒレ肉、上側にサーロイン、そのさらに上の方、薄い筋を挟んでランプ。つまり、3つの違う部位が集まった1枚のTボーンステーキになるというわけです。
「お店で探してみたら、あるかも知れない」と安堂会長。早速、安堂グループ直営・肉のこーべや玖珂店に行ってみました。

まさしく、掘り出し物!

一言でTボーンといっても、なるほど、骨を切る場所によって形は違うものです。ヒレがなくてサーロインだけのLボーンもあれば、小さくてもヒレがしっかり付いているものもあります。お店の人によると、ヒレがしっかり付いていて形の良いものから売れていくとのこと。
しばらく探して、それらしき1枚を見つけました。

Tボーンステーキの生肉作図(ランプ・サーロイン・ヒレ)
▲Tボーンステーキのお尻に近い部位
Tボーンステーキを裏返した写真
▲裏返すと、Tボーンの端であることがわかる

全体的には小さいけれど、ヒレ肉がわりと大きくて、サーロインの上部には、スジを境にして小さなランプ肉がついています。裏返すと、まさしくTボーンの端っこなのがわかります。ラベルに記されている個体識別番号で調べると、広島県生まれのホルスタイン種で月齢は37か月です。サーロインも和牛のような霜降りには遠く及びません。食べた時にヒレやランプとの違いがはっきりわかるのか、少し不安になってきました。

いざ、焼いて食べてみる

小さなランプ肉が剥がれないように、慎重に焼きました。味付けはいつものように塩とコショウだけで素材の味を楽しみます。

Tボーンステーキ焼き上がり作図
▲焼き上がり(上からランプ、サーロイン、骨をはさんでヒレ)
Tボーンステーキの焼き上がりカット後
▲カットすると、いい感じのミディアムレア(ランプは薄かったために焼き過ぎました)

いよいよ実食です。
まずは、サーロインから食べてみました。サシがあまり入っていないとはいえ、そこはサーロインです。骨の近くということもあって、柔らかくて噛めば肉汁があふれる美味しさです。
次に、ヒレをいただきました。すると、明らかに違います。ヒレらしくさらに柔らかくて、ジューシー。思わず笑顔になりました。
最後に、残しておいたランプをいただきました。もともと肉に厚みがなかったから少々焼き過ぎてしまいました。やはり、薄くても噛み応えのある食感ですが、噛むごとに赤身肉らしい濃厚な味わいが口に広がりました。サーロインは美味しいし、ヒレ肉はさらに美味しくて柔らかい、そしてランプは硬いけど、うま味が濃くて余韻が残る。1枚で3つの部位の食べ比べに、ほくそ笑む記者なのでした。

意外に売れ残っているかも?

冷凍Tボーンステーキの山からたまたま見つけたたった1枚の特別なTボーンステーキ。ネットでいろいろと検索してみますが、このような部位の報告はなく、当然、名前も付いていません。ヒレが大きいからポーターハウスの部類なのですが、ランプがおまけに付いている。そこで、勝手ながら命名しました。この部位は、ポーターハウスの端っこということで、「ポーターハウス尻」と呼ぶことにしました。
端っこなのでいわゆる高級部位ポーターハウスの迫力はありません。でもだからこそ、売れ残っている可能性も大きいのです。もし見つけたら、ぜひ買って、めくるめく三つ巴の共演をお楽しみください。

では、牛肉珍味の旅はまだまだ続きます。