地元畜産業者の努力に思いを馳せる伝統行事
第75回玖西連合共進会(2025年10月26日)

秋の空が広がる早朝、山口県有数の牛肉の産地・岩国市周東町にて、第75回玖西連合共進会が開催されました。共進会とは、地域畜産の発展を目的に優れた産物を品評し、優劣を問う催しのこと。言うならば、玖珂・周東地域で育てた肉牛の一等賞を決める大会です。

▲玖西連合肉牛共進会 会長・安堂光明氏

主催の玖西連合共進会より、会長の安堂光明氏が挨拶。そして列席の岩国市長(代理)、山口県東部家畜保健衛生所長らの祝辞が続きました。

▲出品された肉牛

そしていよいよ、審査結果が発表されました。

最優秀賞は、森田真二さん出品の「今嶋百号」(872kg)。体の幅や伸びがあり、とりわけモモの肉付が良く脂質にも優れている。
優等1席には、有限会社岩国ファームの「竹武士号」(888kg)。ボリューム感に優れる。
優等2席には、高森肉牛ファーム(安堂グループ)の「すめらぎ296号」(590kg)。特に脂質が優れている。

審査は、体重はもとより、体の幅や伸びなどの体格、そして皮膚の伸びやゆとりを触って確かめることによります。皮膚の伸びが良い牛は、脂質に優れているとのこと。優等2席に選ばれた「すめらぎ296号」は体重こそ少ないものの、その脂質が格段に優れているとの評価でした。

▲子牛の体重当てクイズ。ドキドキの体重測定。
各賞の表彰が行われた後、恒例、子牛の体重当てクイズの結果が発表されました。今回の子牛の体重は176kg。記者は200kgオーバーと見込んで応募して、あえなく撃沈でした。
優勝したのは周南市から訪れていた倉田さん。予測は175kg。たった1kgの誤差です。
▲子牛の体重当てクイズに優勝した倉田直樹さん(45)

最優秀牛の予測では、多くの正解者があり、抽選により井上さん(周東町在住)が記念品の牛肉を射止めました。

▲最優秀牛当てクイズで優勝した井上望さん(45)

地域の畜産業には厳しい環境が続いています。資材や燃料等の高止まりに担い手不足。輸入肉との競合も厳しさを増しています。そんななかで、年に一度の共進会は75回目を迎えました。そしてこれからも、存続することでしょう。食卓で高森牛をいただくとき、地元の畜産業に携わる人々と、これを支える関係者の皆さんの努力に思いをはせたいと思います。

来る11月23日には第36回を数える周東食肉フェアが開催されます。共進会で選ばれた肉牛が振るまわれることになっています。