奇跡の和牛子牛

平成30年9月20日午前5時ごろ、一匹の子牛が生まれました。
それはいつもの光景…ではなく予想外の子牛の誕生でした。

この子牛の母親は、平成25年11月生まれ68月齢のホルスタイン。
子牛が生まれる2日ほど前、岡山総合家畜市場にて競り落とした牛です。

9月20日のと畜予定で、牧場ではいつものように周東食肉センターへ運送準備をしていました。
当日の午前6時30分ごろ、スタッフから安堂会長へ一本の電話が。「黒い子牛が牛舎を徘徊しています!」。
そう、その子牛は、まさに今日と畜予定だったホルスタインの子供だったのです。

電話を受けた時、会長は三次家畜市場に向かうため高速道路を運転中。「報告を受けたときには、何のことかわからんかった!」とさすがに驚いたのだとか。
急遽、当日のと畜予定は中止。生まれてすぐの大切な時に初乳を飲ませることにしたのです。

ホルスタインの持ち主と仲介斡旋人に確認した結果、産まれた子牛は、受精卵移植による黒毛和牛であることが分かったのです。
受精卵は体内受精卵で母親は(すますた)美国桜、百合茂、安福久という流れの卵子に白鵬85の3を受精されたものでした。

もしも、出生がもう少し遅ければ…母牛であるホルスタインはと畜され、子牛は生を受けることはありませんでした。
まさに奇跡の子牛。

現在は、繁殖センターでスタッフの手により人工哺育を行っています。
ミルクを勢いよく飲む姿は、他の子牛たちに負けず元気いっぱい!
これから奇跡の子牛の成長が楽しみです!