大腸を食べ比べて5品、その意外な勝者とは?!

焼肉屋さんでお馴染み、牛の大腸の登場です。別名をテッチャンとか、シマチョウと言います。テッチャンは韓国語で、大腸を意味する대창(テチャン)に由来するそうです。シマチョウの由来はその見た目です。脂肪が付いていないつるつるした面が縞模様になっています。これが腸の内側に当たります。縞模様があるからシマチョウ。調べてみると、その縞のお陰で表面積が増えて、栄養をよく吸収できるようになっているのだとか。なんにでも理由はあるものですね。

うれしい低カロリー!

大腸の特徴は、脂身が少ないこと。小腸が100g当たり約287kcalなのに対して、大腸は約162kcal。中年太りが気になる記者には嬉しい食材です。もう一つの特徴は、腸壁が小腸よりも硬くて歯ごたえがあります。何度も噛むから、その分、カロリーを消費するかもしれませんね。


そんなわけで、今回も張り切って1kgを、安堂グループ直営「肉のこーべや玖珂店」に予約して調達しました。後で知ったことですが、小腸は牛1頭から約10kgが取れるそうですが、大腸はたったの1kgしか取れないそうです。そんな希少な大腸を、しかも生で、100g・400円弱で提供してくれるとは…。さすが牧場直営店です。


大腸と言えば、臭みが気になるところですが、このお店の大腸はとてもキレイに処理してあります。そして、少し大きめにカットしてあるので、色々な料理にもアレンジできます。

下処理が大事


まずは下処理をします。単純に焼肉にするときにも下処理をした方が、臭みがなくて美味しいのです。
たっぷりの水に、臭みを取るための酒と生姜を入れて沸騰させ、そこに大腸を投入。3から5分くらい茹でます。
茹で終わったら、灰汁がたくさん出た湯をすてて、流水で洗います。このとき、大腸をこすり合わせるようにして、余分な脂や汚れを取るようにします。

超かんたん、ポン酢和え

今回は定番の焼肉はやめて、ちょっと珍しい料理に挑戦することに。
下処理をした大腸を細く切って、ポン酢とニンニクで和えるだけという、とても簡単な料理です。


簡単だけど、侮るなかれ、唸るほどの美味しさなのです。ポン酢のさっぱりとニンニクの風味が、細く切った大腸によく絡んで、グニャグニャ、コリコリ、噛むほどに味わえます。ビールでも日本酒でも、さらにご飯の友として、絶品。さらっとかけた一味がまた、良い仕事をしてくれました。

醤油煮が安堂家の流儀

安堂光明会長(安堂グループ)によると、「普通は味噌仕立てで煮込むけど、うちは醤油でね。子どものときによく食べさせられたよ。ちょっと硬いけど、美味かった!」。ということで、珍しい醤油煮に挑戦しました。
こちらもシンプルに酒と醤油を2:1で鍋に入れて、生姜とハチミツを入れて、下処理をした大腸を煮込みます。約10分くらいでしょうか。あまり煮込み過ぎると、味が濃くなりすぎるので注意です。


醤油煮込みの大腸は、これまた思った通り、ご飯に合う一品になりました。安堂会長が少年だった頃、家族みんなでこの醤油煮込みを囲んだことでしょう。懐かしい昭和の風景が浮かびました。
シンプルに大腸だけで煮ましたが、これに太ネギなど入れて、味を染み込ませると良いなと後で思いました。
反省点としては、大腸はもっと小さく切った方が良かったようです。大きな大腸は噛むのにアゴが少し疲れたからです。

トマト煮の意外な美味しさ

もっと変わり種はないかと、レシピを探してみると、「トマト煮込み」なるものを発見しました。大腸とトマトが合うのかどうか、試すことにしました。
トマトピューレ150gと水150cc、これにコンソメ小さじ1、料理酒50ccを入れ、ローリエと鷹の爪、そして大腸150gを入れて10分くらい煮込みます。この分量で2人前です。
レシピには、仕上げに3倍濃縮の麺つゆを小さじ1とのことですが、ここで、醤油煮を作ったときに残った濃厚な汁を、えいっと投入しました。


食べてみると、トマトの濃厚なスープが美味でした。大腸はやはりグニャグニャとアゴが疲れる感じですが、スープとよく絡んで、美味しかった。後で黒コショウをかけるとパンチのある料理になりました。
誰かが、「パンに付けると美味しそう」と言ったので、さっそく実践。好評につき、あっという間にスープが無くなりました。

炒めると脂が美味い!

煮込みが続いた後に、炒め物にも挑戦しました。大腸とキャベツの味噌炒めです。コツは、大腸に味を染み込ませるために、味噌、醤油、ニンニク、酒、砂糖、コチジャン、そして大腸をボウルに入れてモミモミ。15分くらい放置することです。
フライパンを熱して油をしいて、味の染みこんだ大腸を投入。少し火が通ったら、キャベツを加えて炒めます。


大腸には白い脂身が付いていますが、これが程よく焼け溶けて、美味しいのです。ご飯にも合いますが、やはりこれはビールが一番! コチュジャンのビリ辛が良い仕事をしてくれています。

ほんの少しだけ下処理した大腸が余ったので、シンプルに塩とコショウで炒めてみました。


焼肉と同じく、大腸本来の味わいがわかる感じがしました。こってりした脂の美味しさを味わうには、やはりこんなシンプルな料理が良いのですね。

意外な勝者

気付けば、1kgの大腸で5品を味わうことができました。こってりが好きな若い男性には、炒めものが好評でした。女性はトマト煮が気に入ったようです。
そして、みんなが意外な美味しさに感激したのは、一番簡単で最初に作った「ポン酢和え」だったことを書き添えておきます。

低カロリーということで、お腹いっぱいに大腸をいただいた記者ですが、翌日の体重は恐ろしいものがありました。いくら美味しいからと言って、やはり食べ過ぎはいけませんね。

では、未知なる部位と料理を求めて、牛肉珍味の旅はつづきます。