骨に付いている肉にハズレなし!牛の中落ち
お肉を食べ続けてウン十年の記者には、ある法則があります。それは、骨の周りのお肉は旨い!ということ。Tボーンステーキの骨と肉の間に残る小さな肉片や薄い膜は前歯で削ぐように食べます。鶏の手羽先は骨の間のお肉をほじるようにして食べます。隣で妻が残したものを、こっそり盗むこともあるほどです。だから今回の中落ちは、それはそれは楽しみでした。

中落ちとは、あばら骨とあばら骨の間を埋めるようにして存在する肉です。牛の大きさにもよりますが、今回入手できたのは小柄なジャージー牛のもの。そう、前々回の「三角バラ(カルビ)の端と端を食べ比べ」の下処理をしたときに切り出したものです。その大きさは、大きなものでも幅3cmで長さは20cmほど。やはりとても貴重な部位です。

中落ちと言えばまずマグロを思い浮かべます。骨を削ぐようにして取り出した中落ちの丼なんて、思わずうなる美味しさです。
さて、牛の中落ちも「思わずうなる」ような美味しさなのでしょうか?
下処理をして、いざ焼肉!
まずは焼肉で塩・コショウでシンプルにいただきます。なにせ細長い肉片です。下処理として薄い膜を削ぐのも一苦労でした。



〇〇の一つ覚えで、筋を断つようにスライスしたつもりですが…。後になって安堂光明会長から聞いたところによると、「下処理をした後は筋がないから、違う切り方がある」とのこと。いつかまたリベンジしたいと思います。
さっと焼いて口にほうばると、柔らかいけど弾力もあって、お肉のうま味に「思わずうなる」美味しさです。もっと厚めに切って食べてみたい。できたらステーキにして食べてみたい。そんな願望にとらわれました。三角バラも絶品でしたが、やはり骨にくっついていたという先入観のせいでしょうか。記者はこちらが好みです。
ネギ塩カボス焼きなる料理に挑戦
なにせ量が少ないので、作るならもう一品くらい。そこで色々なレシピを漁って目に留まったのは、「ねぎ塩レモン焼き」。季節が夏から秋・冬に一気に変わり、疲れ気味の身体がこれを欲したのでしょう。タイミングよく知人がくれたカボスが手元にありました。そこで、「牛中落ちのネギ塩カボス焼き」にトライしました。
予めネギ塩を作っておきます(ネギとニンニクに塩、鶏ガラスープの素、ゴマ油を混ぜるだけ)。そしてフライパンで中落ちを焼いて、ネギ塩とカボスを投入して、軽く焼いたら出来上がりです。

カボスのいい香りが食欲をそそります。まず中落ちをカボスといっしょに頬ばると、酸味と塩味にまみえて、ぷるっとした中落ちが噛むほどに美味しいジュースを出してきます。カボスの苦みもまた大人のアクセント。秋の夜長の酒のアテにぴったりの逸品になったのでした。
お肉屋さんの店頭で牛の中落ちを見かけることはとても稀だと思います。でも、もし運よく見かけたら。迷わず買って試していただきたいです。
安堂グループ直営「肉のこーべや玖珂店」なら、お店の人に頼んでおけば、取っておいてもらえるかも知れません。
では、牛肉珍味の旅はまだまだ続きます。