「希少種・無角和牛のこれまた激レア!熟成肉」実食レポート

和牛には4種の品種があります。黒毛和種(くろげわしゅ)、褐毛和種(あかげわしゅ)、日本短角種(にほんたんかくしゅ)、無角和種(むかくわしゅ)です。
その中の無角和種は山口県に生まれ、山口県内のみで肥育されています。年間わずか50頭ほどと、4種のなかでは最も希少な品種です。
肉の特徴は赤身が多いことです。ヘルシー志向がますます強まる昨今、頭数も少ないこともあって、ほとんど一般には手に入りません。
安堂畜産は、この無角和種の品種保存に長年、貢献してきました。詳しくは、連載中の「安堂グループの歴史物語」第27話「角のない牛」をご参照ください。

さて、この度、安堂畜産ホームページ取材班は、この希少な無角和牛の、しかもこれまた貴重な熟成肉のステーキを特別に入手。早速、調理して食してみたのでレポートします。

調理前

熟成肉の無角和牛ロース

個体識別番号によると、この無角和牛は、山口県畜産試験場(美祢市)に出生して、無角和種振興公社(阿武郡阿武町)を経て安堂グループの高森肉牛ファームにて肥育されました。出生して15年、人で言えばかなり高齢のおばあさん牛。長年、子牛の出産を担ってきた、経産牛です。
肉は全くサシの入っていないキレイな赤身です。脂身に鼻を近づけてみると、さすが熟成肉。特有のナッツの香りがしてきました。

調理中

油を引かないフライパンで、まずは肉の脂を熱します。すると、白い煙とともに、熟成肉特有のナッツの薫りが立ち込めました。
そして、やや強火で両面を焼きました。記者の好みはレアです。あまり焼き過ぎない方が、肉本来の美味しさが味わえる気がします。

実食

このような経産牛の肉は一般に硬いのが常です。しかし、肉をほおばった時、驚きました。
「なんて柔らかいんだ!」
これは熟成肉の特徴でもあります。
そして、かみしめると、赤身の濃厚な味わいが口いっぱいに広がりました。
ニンニクも使わず、塩を付けて食したのみです。だからよけいに肉の本来の味わいを感じることができたと思います。
そして、不思議なことに、深みのある肉の味わいにしては、後味がスッキリしています。
「ああ、これならいくらでも食べれる」と思いましたが、時すでに遅し。他のスタッフたちが我先にと食べて、もう残っていませんでした。

黒毛和牛のサシが十分に入った肉も美味しいのですが、やはり脂が多いからでしょう。沢山食べる気にはなりませんし、肉によっては、食後に気持ち悪くなることがありました。
しかし、この無角和牛の、しかも熟成肉は、柔らかくて、味わいが濃厚、なのにあっさりしていて、いくらでも食べられる。素晴らしいお肉です。
ただ、肥育頭数が極端に少ないため、なかなか手に入らないのが残念です。

※熟成肉ではない無角和牛の精肉の購入先…JAタウン(ネット通販)の予約販売
 
さて、スタッフみんなでの実食は終わりましたが、実はもう一枚、記者は隠し持っているのです。
これはこっそり家で楽しもうと思います。ただし、家にも妻という強敵が待っていますが…。